トントンとは何か


紀州釣りのタナ取りは大きく分けて

 1.底を切る
 2.トントン
 3.ハワセ

の3種類があります。

伝統的な紀州釣りでは、底を5cm〜10cm切ったタナで釣るのが主流でしたが、 今やその底を切った釣りはむしろレアケースで、ほとんどの紀州釣り師が”ハワセ釣り”をされている事と思います。
さてハワセ釣りとはトントン+αのタナを取ることで、エサ取りに気づかれず、チヌにサシエを違和感なく食わせようとするものですが、”トントン”の意味を間違って捉えているが故に”ハワセているつもり”の方を多くみかけるのも事実です。特に雑誌や本でよく勉強されている方にその傾向が強いように思います。

永易流でいう”トントン”とは、水深ではなく”ダンゴの割れが浮きに出るか出ないかのギリギリのタナ”を指します。 ”ウキの表情”がトントンの基準になりますから、ダンゴとウキの位置関係や潮の速さが変わるとトントンの長さも変わることになりますし、少なくとも”ダンゴの割れ”が一定でないと”トントンを維持できない”という事になります。

ハワセを行う


”トントン”の認識を共通にしたところで、次に来るのが”ハワセ”です。 永易流=”サシエを止めるハワセ釣り”と紹介される事が多いのですが、実はこれは当たっているようで当たっていません。 確かに、チヌの気配があり、”さぁ食わせるぞ”という状況では上のような釣り方になりますが、逆にいえば、そうでない時−チヌの気配を探っている状態など−は、ほぼトントンで釣りを展開します。 ”ハワセ”はチヌを食わせるにはもってこいの設定ですが、”トントン+α”であるが故ウキから得る情報がトン トンに比べて、ぐんと減ります。もちろん1日中適当にハワセていてもチヌは釣れるでしょう。しかしそれでは、この釣りの醍醐味である”ダンゴを通して海と対話する”という事が出来なくなります。

トントンからハワセへ移行するタイミングは、チヌの気配 −−チヌでなくても何かしらの変化−− を感じたら という事になり、割と皆さん積極的に試されるのですが、逆に”トントンに戻す”という作業は疎かになっている傾向が強く見受けられます。変化を感じて対応した後、そのまま期待を引きずってしまって、次のチャンスを捉える機会を逃している....そんなことにならないよう、トントン←→ハワセの切り替えは忘れないようにしてください。むしろココが一番のキモかもしれませんヨ。

あとよく言われる”最適なハワセ幅”ですが...これにはもちろんいつでも通用する”正解”はありません。 そんなもんが解れば、毎回爆釣です。(笑)
では何を軸にハワセ幅を決めれば良いかですが、

  ・サシエを止めておきたい時間
  ・サシエをむき出しで置いておける時間
  ・チヌの食い

の組み合わせで決定されます。 潮が動いていて、長くサシエを止めておきたい場合はハワセ幅は増えていきますし、 潮が動いていなくても、チヌがウキの浮力を極端に嫌がる場合などもハワセ幅を取らなければいけません。 逆に、極端にエサ取りが多く、ハワセていてもサシエをそのまま置いておく時間がとれない場合などは、 手返しや根ガカリ防止の為にも無駄なハワセ幅を取るのを避ける事もあります。
そういった色々な状況の中で

  ・ダンゴの割れがウキに出ず
  ・本アタリが確実に出て
  ・釣れたチヌがしっかりとハリがかりしている

タナが最適なタナ(ハワセ幅)ということになるかと思います。
この辺りは、トライアンドエラーを繰り返して見つけるしかありません。
いずれにしても、トントンとハワセ、これを上手く使い分ける事が釣果への近道だと思います。

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